これまでの当たり前が、ガラガラと崩れていった、貿易での起業。
ずっと 貿易をする会社(商社、メーカー)に勤務し、貿易業務に従事していた私は、
これが普通だと思っていた。
これ、というのは、貿易会社の存在。商社の存在。
ところが、いざ起業で分ってきたのは、こんな質問を浴びるようになった。
商社って何をするんですか?
輸出?英語できるんですか?
消費税還付手続き? へえ~ そんなのがあるのですね。などなど、、
驚いたのは、税理士さんだって、貿易知識を持つ人は少ない。更に 船荷証券の中身を理解する人は
多くいないそうだ。 さしあたり税計算に船荷証券の中身を理解しなくても、税計算はできるからだ。
輸入通関がきれたら、消費税払うんですよ。。。 え? そうなの? と聞き返されたこともある。
貿易知識を備えたり使えたりする税理士さんは、たいていが、大手商社、メーカーに在籍しているのだ。
銀行もそう。メガバンクは別として、外国為替課があるか、外国為替が扱えるか、
コルレスなんていっても 今時通じるかどうかも不安になるくらい。
でも、上述は貿易に触れることがなかった人には普通に知らないことで、こちらの方が特殊?なのだ。
最近は越境ECがあり、個人で学ぶ人がいるのだけれど、やっぱり特殊世界なのだろう。
普通に貿易だけをしてきた30年は、日本全体でみれば、極小の世界に位置づいていることを
じわじわと 起業業務で知ることになる。
ましてや「商社」となれば、何するんですか? と今や怪しげなのだろう。
聞かないですか? 三菱商事とか、伊藤忠商事とか、聞いたことないですか??
中東から石油を買う交渉、小麦を買う交渉、、、、、商社が実務やってるんですよ。
話を戻すと、まず最初に躓くのが、銀行選びではないか。
輸出を考えていた私は、もちろん外国為替が扱えて、海外送金を受けてくれたり、
L/C買取(銀行の窓口対応が必要)をしてくれる銀行に口座を持ちたかった。
ところが、どうやって探す? 相談する人がいて、教えてもらったりするのだけれど、
国内取引だと、こんな悩みは無いだろう。 今どきはネットバンクだってある。
やっと決まった銀行も、次の問題は、口座名義だった。
個人名か 屋号+個人名か。 銀行と意見が分かれる。
1つ進んでは、何かに、当たる。
そして昨今の人手不足も影響し、なかなかアポが取れなかったりする。
簡単にアポが取れないことが、 どんな場合も当たり前になってしまったこの時代の中で、
進んではぶち当たることに、相当イラついた。
先を見越して、予め 申込書を貰ったりもした。
案の定、申込書には、「サイン判」が要ることが分かった。
新しい会社だから、社判だって作りに行かなきゃならないし、
店探して、申し込んで、入手するまで どのくらい? 時間も読めない、だいたい一週間かな?
その上、この「サイン判」という言葉が、普通に電話して聞いても 通じないのだ。
え~~~~ サイン判を説明するの?
いやはや、とんでもなくミクロな世界が始まったのだ。
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