ブログ15. 当時の中近東出張段取り


旅行した国で どこが好きですか?と聞かれて、若いころはイギリスだったが、
仕事で中近東へ行くようになってから、中近東諸国が好きになっていた。
「仕事で行くのですが、中近東ですかね」と答えると、
暑いんでしょう? 危なくないですか? 等と聞かれる。
好きな理由が分からないのだろう。

南はイエメン、北には、ヨルダン、そこから先では、
キプロスやイランまでは行っているけれど、
アラビア半島の大部分を占めるサウジアラビアや、
日本に馴染みのあるドバイを想定して、答えることにしている。
「暑い時期を避けて行かせてもらってるので、12月から2月が、
日本の3月、4月ぐらいの過ごしやすい時期です。場所によっては、2月でも
既に32℃を超えるところもあります。 やはり6月から9月は50℃の地域もあるようです。」

この理由もあって、12月から2月に出張に行こうとすると、
だいたいお盆休み辺りから、どうしようかな~ と考え始める。
これまでの売上と、大事な案件と、今後の売上を考えて。
行かない選択肢はない。中近東って行かないと話にならない。と思う。今も。

どの国に行くか
その国のどの客を訪問するか
ぼ~んやり考えたあと、慌てて今年のラマダンはいつだっけ? とチェックする。
ハッジ(巡礼)はその3か月後。

そして9月から10月前半には、訪問国を決めて、客先を決めて、スケジュールを
作り始める。慣れるまでは大変だったけれど、慣れると、スケジュール作成の書式を
自作していて、そこに当てはめるので たやすかった。

まずは、ドバイ着。そして、時計まわりか、反時計回りか。
当時は、アラビア半島内でも信頼できる航空会社の便が豊富になく、
反時計回りで訪問国を決めるのが なぜかうまい具合に便が見つかった。

ドバイ→クエート→ジェッダ(サウジアラビア) 又はアンマン(ヨルダン)→南下。。
そしてドバイへ再入国。
安全なので、移動は基本 夕方から夜の便にしている。
一応念のため、ホテルの空港出迎えを依頼する。

飛行機好き、空港好き、旅好き3拍子揃ってるので、
スケジュールを組むのは楽しい。
時間をかけたい客
次の客先との移動時間、、
日本の休みは、土日。中近東は当時 木曜と金曜。
更に、Working Hourは 
8時から13時 午前中
13時から16時まで昼休み
16時から20時 午後の就業

これを頭にいれて、組み入れていく。
タクシー移動の経費を考えれば 中心部のホテルが良いなど、
ホテル予約にもリンクしていく。
(心配してくれる社長に応える意味もあって、ホテルは「知られた」名前のホテルにする。)
約2週間から、長い時は3週間に及ぶこともあり、さすがに3週間の時は、
日本に電話すると日本語が聞けて 懐かしい感覚になった時もあった。

スケジュールを組むにあたり、最大の難関が1つあった。
サウジアラビアへの入国ビザ取得。
今では観光ビザもできたが、当時から商用ビザの手続きは大変だった。
提出書類が多い。
申請書には母親の名前の記入が求められているのも分からなかった。
ちょっと怖い誓約書へのサインもしなければならなかった。

今はもう無いが、女性が商用ビザで行くということ事態も大変だった。
ましてや商品は化粧品や下着ではなく、がっつりな機械だ。
(と、ビザ手続き代理店の担当者に言われた)
サウジ側で招聘状(Invitation Letter)を発行してもらうのだが、
女性への招聘状は 男性用とは異なる方法のため、女性を迎えたことのない
客先が、招聘手続きが分からず手続きが遅延するのだ。
ビザ手配の気苦労と、スケジュールを同時並行で進めるのは本当に疲れた。
実際に、上手く進まず、招聘先を変更したこともある。
ビザが降りた時は、仕事が半分終わったような気分になったものだ。
初めてのサウジアラビア出張に降りたビザ通知の案内は、
今もファイルに残している。
当時の上司や社長には、「執念やな~」とからかわれた。

1.5カ月前から、客先に通知し、アポを取る。
これまた、女性が行くと知れば 初めての訪問先は戸惑うため、
女性であることを隠した。今はおばさんなので、大丈夫。
1か月前から飛行機の空席状況を確認し、出発の3週間前に発券してもらう。
この時の旅行代理店は親切で、移動日のフライトを全部ひろって教えてくれた。
乗りたい時間の便を決めて連絡していた。

それから面談資料作成開始。
その様子を見た社長が、これも、あれもとカタログと価格表を持ってくる。
時にはメーカーさんが面談に来られて、話も聞く。時間足りないぞ~。

今は、サウジビザ取得の大変さは激減したし、
起業してからは、スタイルを変えている。
昔は若かったし、業務的な資料を持っていかないと失礼だったけど、
今は それは後でメールするね と。

けど1点。後でメールするねと言って 忘れる相手もまだまだ多い。
なので、中近東へ行く時は、紙の資料、サンプルは大事なのだ。

会社員時代は、資料の多さで重量越えをしたが、
今は、買物を頼まれて重量越えをした時もある。
初めての、キャリーケースの軽い中東出張は、昨年10月だった。
夢のような軽快な旅だった。 今年も 軽快で行こう。

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