ブログ7 日本のこの店をサウジアラビアでやりたい

大変な無茶ぶり。
予定になかった、リヤドでのフランチャイズセミナーをする事になったのだ。

その方は、私がリヤドに到着する時間を確かめ、空港まで迎えに来て下さっていた。
事前にwhatsappで私の写真が送られていたので、すぐに見つけて声を掛けられる。
なんと心強い、有難い。しかも、アバヤには日本の山水画のようなデザインが
施してあり、「これを着てきたのよ、あなたに私が分るように」と、つたない英語で話す。
数秒で、この彼女は私に安心感を与えてくれ、
通訳にと、グレイのヒジャズをつけた娘さんも自然体で優しい感じ。
(後にこの娘さんは、姪だと判明したけれど)

車にのり、ホテルに行くつもりでいた私は、
「ホテルに直行する?お昼を食べる?」という質問に、ホテルに行きますと応たが、
「でも、お昼を食べようとレストランを予約してあるの」と。

こういうお招きは断っては失礼。「では是非 お昼に行きましょう」と応えながら、
ココロでは、う~ん、時間的に早い夕食になるなあと思いつつ、中東の食事招待への
対応を懐かしく思い出す。
ダブル、トリプルと重なるお招きの中から、どれか1つに応じなければならないことは、
1つの滞在地でよくあること。 「砂漠の地へようこそ」という歓待は、そしてその人が
困れば困るほど、招待側は、嬉しく自慢になる。なので、招待がダブルこともない場合は、
あっさり、そして嬉しくお受けすることにしている。

その場所はとても遠く、1時間半近く車で走り、着いた頃は少々疲れまで感じていた。
しかし、遠くまでワザワザ来た値打ちがあるのを、建物の前に車が停車した時に
すぐ感じられた。
それはそれは、入口からして「アラブに来ました」といわんばかりの巨大な扉。見上げて、見上げた。
建物の中に入っていくと、店内も素晴らしいアラブの装飾が施されていて、
アラビアに来たのだという実感で、恐らくニヤニヤとしていただろう。
かなりの高級レストランとみえて、お客様の風貌も ちょっと違う。。。。

日本には こんなスケール感はないなあと感涙。
2階が食事のフロアとなり、店員が何やら彼女に聞いている。
座席が無いようで、食事ではなく、お茶を楽しむための席に案内され、どうやら
ここで待つように言われたようだった。
ココロでは、そうだよね、予約なんてしてなかったよね。と。くすっ。
可愛い招待の仕方にまたもや親近感を持ってしまう。

実際のところ、少しの間、待たされる方が、私には好都合で、
アラビアで古くに使われていたポット、豆を粉にするグラインダーなど、調理器具が飾られていて、
彼女の説明を楽しく聞けたのは有難かった。

さて、10分ほど待って、食事席へ。
周りをみると、テーブルの配置の仕方はユニークで、特に整列させておらず、
長方形が 色んな方向に向けて並べてあり、サーブする人は、曲線を器用に歩く。
結構、どの方向を向いても、他のお客様のお顔がよく見えたり、視線を合わせやすい感じに
とてもオープンマインド感があった。

メニューは、一般的な、フムス、サモサ、ブリヤニをお願いし、メインはお任せすることにした。
久しぶりのアラブでの食事!
もちろん、とても美味しく、フムスにフォークを入れる時の瞬間は、最高にワクワクしていた。
途中から従姉妹だという男性が食事に参加。
この男性は、レストランまで運んでくれた運転手が別の用があるため、
私をホテルに送るために、わざわざの参加だったことに後で気づいた。
彼女がひっきりなしに、電話をしていたのは この事だったのか。

彼は、和食の有名なレストランの名前を教えてくれ、明日にはここへ連れていくから
日本で食べる和食とどう違うのか 是非教えてくれ という。
いかにも、当地らしい質問と歓待。私だって楽しみ。With Pleasureと。

ホテルに到着する頃に、彼女が話はじめた。
「日本の、xxという店知っている? 私は この店をサウジアラビアでやりたいと
思ってるの。明日は 是非 我が家でフランチャイズについて教えてね。何人か
集まるから」
え? そうなの? 私の予定していたスケジュールはどうなるんでしょ。?
事前に 私の予定は、あなたの弟に伝えていたんだけどなあ、、と 内心。
いや、これも中東。予定は未定で、動けるなら、即変更。
時間だけは譲れず、調整頂いた。
「ありがとう。是非、お集りください。何人くらいになりそうですか?
 HDMIケーブルは ご用意頂けそうですか?」と、面食らって業務的な質問を。
まあ、実際は何とかなるのだけれど。

かくして、xx店を意識したフランチャイズセミナーを、なんと、裕福層の方々に
お話する羽目になった。 
女性だけの集まりだったので アバヤもヒジャズも脱いだ女性たちと、その
素晴らしい部屋の清潔さ、広さ、優雅さの中で、デイツとアラブ珈琲を頂きながら
飛び舞う質問に対応する。
この方々がお店を本当に出すのだろうか?という疑問も持ちつつ、ハラルの課題では、
日本の企業が中東ではあまり見かけない事で、ハラルに前向きではないのか という
質問をぶつけられて、困ってしまう。
単純ながら、「費用のかかることなので、企業にとっては1つの決心する課題になるのは
まちがいありません。」 と、一般的な話しで終わらせた。

サウジの初日、2日目にして、「無茶ぶりの国」への対応は、有難くもあり、大変でもあり。

この記事が気に入ったら
いいねしてね!

Please share
  • URLをコピーしました!
目次